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早稲田・慶應大学受験
マニュアル

慶應大学の出題傾向

 慶應義塾大学は、日本の私立大学では早稲田大学と並ぶ最難関校である。
全学部の受験科目に『国語』が無く(センター試験利用の法学部を除く)、その分他の私立大より負担が軽いが、小論文があるなど入試形態がやや変則なので、中堅クラスの高校の一般的な授業だけで対策するのはかなり厳しい。
 但し、慶応の偏差値は二教科で判定しているため高く出やすく、実際には予備校で出ている偏差値よりも低くても合格できる可能性はある。よって、まずは積極的に取り組んでいくことが大切である。

受験状況

 毎年、関東を中心に全国から優秀な受験生が集まる。また、試験日程が比較的遅く、他の私大(特に早稲田)、 国公立大と試験日程があまりかぶらないので受験者数が多い。一概には言えないが、慶應義塾大学を第一志望にしている人は、複数の学部を受験する。また、東大や京大や国公立医学部など最難関レベルの受験者も多数併願してくるので、倍率、合格最低点ともに非常に高く、試験レベルは私大では早稲田大と並んで最高峰である。

□ 文系学部の小論文対策

 慶應義塾大学では、理工学部以外は一般的な私大の文系学部とは異なり、国語が無く、代わりに小論文を課している。東大が第一志望なら小論文をわざわざ学習する必要は無いだろう。慶應義塾大学が第一志望なら、小論文もしっかりと学習しておきたい。早稲田大学を併願大学として受験する場合は、小論文の配点が低い経済学部か、小論文が課されない商学部A方式を受けるのが望ましい。ただし、商学部A方式の場合は小論文の代わりに数学が課されるので注意。
 小論文は一朝一夕に実力がつく科目ではないので、高校1年次から計画的に学習することが望ましい。経済学部の小論文は難易度が低いが、他の文系学部の小論文は課題文の難易度が相当に高いので、高度な読解力と集中力、深く広い教養(課題文の背景知識)が必要になる。 政治、経済、小説、哲学・思想など、幅広いジャンルの書籍を読んで教養をつけ、原稿用紙を使って実際に書く練習を積む必要がある。要約の練習と、自分の主張をわかりやすく表現する練習を積むのがよいだろう。 もっとも、小論文は既述の通り、成績が上がるまでに時間がかかる科目なので、どうしても間に合いそうもない場合、地歴や数学で点数を稼ぐ作戦をとるのも手であろう。

 河合塾全統論文模試、早大・慶大オープンや代々木ゼミナール全国論文テスト、慶大入試プレをを受験し、小論文試験の練習を行うことも対策の1つだろう。特に早大・慶大オープンと慶大入試プレでは、各学部専用の小論文試験を実施する為、必ず受験して置きたい。

□ 文系学部の英語攻略

 慶應義塾大学の文系学部は、英語の配点が高い。英語の偏差値が70以上なら、すべての文系学部でやや有利である。逆に英語が苦手だと(偏差値65以下)文系学部の合格はかなり難しい。どの学部にもいえることは、長文が非常に長く、速読速解力が求められることである。また制限時間の割に問題量が多いので、時間配分に注意が必要。 文学部は難解部分の和訳や英訳や要約問題など、記述問題が中心なので記述対策が必須となる。英語力と同時に国語力が試され、東大・一橋など国立大学の試験と似ている。 経済学部は超長文に加え、条件が指定された100words以上(近年では150words以上)の自由英作文が出題される。英作文は一橋大学の試験と似ているといえる。 法学部はマーク式の問題だが、時間が非常に短い中、非常に紛らわしい選択肢やかなりの超長文のため、難度は文・経済よりも高い。ここ2年は随分易化したが、それでも私大では最難関の部類に入る。 商学部は、慶應文系学部の中では最も難易度が易しい部類だが、近年は全体的にやや難化傾向にある。また長文に加え、文法問題が非常に多い点も注意したい。
 総合政策学部および環境情報学部では桁外れの超長文が2題出題される。それぞれの長文中に、3択の中から最も適切な語句を選ぶ問題が20題、長文の後に、4択の中から長文の内容と合致するものを選ぶ問題が10題あり、全てマーク式である。よって1長文につき30題の質問に答えなければならない。超長文を早く、正確に読解する能力と高度な語彙力が不可欠。

□ 日本史攻略

 学部ごとに難度にばらつきが見られるが、全学部とも出題範囲は一定している。また、全学部に共通する人物・用語も繰り返し出題され、それらを難問と処理するのは愚であり、きちんと他学部のものも含めて、過去問研究にあたるべきである

文学部

 難度が低い。受験生のレベルを考えると、このレベルでは差がつきにくい。記述・選択の空欄補充は(ほぼ)完答が求められ、合否の鍵は大問(3)・4の論述であろう。

法学部

 慶應の文系では最難関である。近年は英語との難度の調整であろうが、難度にばらつきも見られる。教科書・用語集に登場しない難問も時折みられるので、慶應大学の出身者など、一通り並べて確認しておくのもいいかもしれない。ここ数年は全問が語群から適当語句を選ぶ空所補充となっているが、語群の語数が解答欄の数倍ありかなりの負担である。

商学部

 難度はやや高め。良問とまではいえないが、受験生を振るいにかけるには妥当な難易度といえよう。また、2年連続で経済史を扱うなど、商学部らしいこだわりも見えるので、産業・経済史、戦後史など、集中的な学習が求められる。

経済学部

 難度がやや高い。正誤問題等で難問も時折見られるが、近年易化に向かっていることは否定できず、基本事項を抑えた学力を持って望むが重要である。なお、他大学ではあまり出題の多くない、近現代の文学を細かく問うてくるのも本学の特徴である。また、日本史においては1600年以降のみが出題範囲である。


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